クーポンを配った月は売上が上がる。だが利用者の顔ぶれは、配らなくても買っていた顧客に見える。
相談できること / テーマ 3
こんな状態になっていませんか
送料無料ラインは何年か前に競合を見て決めた。それ以来、購入金額の分布や送料の実費と並べて見たことがない。
セールが終わると翌月が沈む。先食いなのか季節なのか、分けて見た人がいない。物価と物流費の上昇分は、値引きをやめられないまま吸収できていない。
なぜ起きるのか
販促レポートは利用者を基準に作られます。値引きがなくても買った人が「効果」に含まれ、その分の粗利が静かに減ります。売上の上位商品が返品・送料・決済手数料を引くと利益では下位、という逆転は、受注・返品・原価・配送の数字が別々の部門にある限り見えません。送料無料ラインは客単価を押し上げますが、しきい値のために追加された商品の粗利と、負担した送料を並べなければ、押し上げが利益になっているかは分かりません。
放置すると何が起きるか
売上目標は達成しても粗利率が下がり続け、「値引きをやめると売上が落ちる」という理由で値引きが常態化します。物価と物流費の上昇を吸収する余地がなくなり、売れている商品ほど利益を減らしている状態に気づけません。
よくある対処と、それが効かない理由
クーポンの割引率を下げる
効かない理由効いていた層と効いていなかった層を分けずに一律で下げるため、動く売上と守れる粗利の両方が読めません。
送料無料ラインを競合に合わせる
効かない理由競合の客単価分布と自社のそれは違います。合わせた結果が利益にどう効いたかを見る仕組みがなければ、次も感覚で決まります。
売上上位の商品に広告を寄せる
効かない理由粗利ベースで並べ直すと順位が入れ替わる商品があり、広告費を利益の出ない商品に使うことになります。
「なぜ」を、同じ表の上で話せるようにする。何が変わるか
値引きがなくても買っていた層を推定できれば、原資をまだ買っていない層に振り向けられます。購入金額の分布と送料実費を並べれば、しきい値を動かす根拠ができ、動かした後の客単価・注文数・送料負担を季節性を除いて確かめられます。返品・手数料・送料を配賦した粗利で商品を並べ直せば、広告で売るべき商品と値引き対象から外す商品が分かれます。価格変動の履歴から弾力性を推定すれば、値引きしなくても売れる商品が見えます。
進め方
受注明細から購入金額の分布と送料無料ラインの位置関係、送料負担の総額を出す
クーポンの発行・利用ログと受注をつなぎ、値引きなしでも買っていた層を推定する
返品・手数料・送料・原価を受注に配賦し、粗利ベースの商品・チャネル順位を作る
しきい値・割引率・対象商品の変更を、期間と対象を分けて検証する
初期診断で出すもの
最初の一歩
- ・購入金額の分布と送料無料ラインの位置関係
- ・クーポン利用者と非利用者の、利用前の購買履歴の差
- ・セール前後の受注の推移(先食いの有無)
ここに挙げた項目は診断の候補です。データの有無と品質を確認して対象・提出物を合意します。確認できた事実と推定を分け、追加調査や実装が必要なものは別途整理します。
重点項目
このテーマで確認する観点
相談
「データが揃っているか分からない」段階から、ご相談ください。
売上だけでは判断しづらい値引きや送料の条件を、利益が残るかを確かめるところから整理します。