2015年最後のUFCとなったUFC on FOX17のメイン・イベントはライト級王者ハファエル・ドス・アンジョスにランキング2位で現在8連勝中で勢いに乗るドナルド・セラーニが挑むライト級タイトルマッチが行われた。
ライト級が今もっとも混沌としている事は「UFC on FOX17はライト級が熱い!!」で紹介したが、グラウンドを得意とするドス・アンジョスに対して、打撃主体のセラーニとスタイルが真逆でしかも両者ともに判定までもつれる試合が多いので、この試合もどちらが勝つかは全く予想できなかった。
開始早々のドス・アンジョスの先手必勝がすべて
リーチではセラーニの方が約5㎝上回るので、序盤はセラーニの打撃をドス・アンジョスがどうかいくぐるかがポイントになるかと思われた。
しかし、予想が外れる。
ドス・アンジョスは開始最初の攻撃で近距離から素早い踏み込で左ストレートをセラーニの顔面にヒットさせる。もろに受けたセラーニは崩れ落ちそうになるが何とか持ちこたえて反撃しようとする。
だが、足腰が不安定で打撃にも力が入っていないセラーニ。この時点でもう勝負はあった。チャンスを見逃さないドス・アンジョスは続けてパンチを放つ。セラーニは苦し紛れのタックルをしかけるも、ドス・アンジョスは背後に回ってパウンドを連打し、すぐにレフリーが止めた。
開始からわずか1分6秒で2年前の雪辱を晴らした。
思い出させるヘンダーソン戦
卓越したグラウンドテクニックとフェンス際でのテイクダウンの見事な奪い方が印象的なドス・アンジョス。TKO勝利も少ないが、何気に打撃も上手で、アンソニー・ペティスを破ったタイトルマッチでも左ストレートや左右のミドルキックでペティスになかなか組ませなかった。また、2014年にはKO負けしたことのなかったベン・ヘンダーソンにも左フックで勝利している。
今回のセラーニ戦でも奇襲というよりも開始から真っ向勝負といった感じでセラーニと正対していた事からも打撃には自信がある事がうかがえる。
今後のライト級はマクレガーとの階級を超えた戦い?
ドス・アンジョスが初防衛を成功したことで、今後のライト級挑戦者は2016年1月に行われる前王者アンソニー・ペティス対4位エディー・アルバレスの勝者か現在3位で過去にドス・アンジョスに勝利しているハビブ・ヌルマゴメドフあたりが有力だろう。
ただ、1階級下のフェザー級の新王者のコナー・マクレガーが対戦を希望しており、これに対しドス・アンジョスも試合後に「来るなら構わないがこれは僕の階級だ。ブラジルでもアイルランドでもやってもいいがベルトは渡さない」と返しているので、どうなるか?
個人的にはマクレガーもドス・アンジョスも前王者とのリマッチがまだ済んでいないので、両者の対戦はまだまだかなり先になるのでは?と予想する。]]>
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