先日のUFC181でアンソニー・ペティスがギルバート・メレンデスをネックブリーカーで退けて王座を初防衛したライト級戦線で、注目されるのが3位のラファエル・ドス・アンジョスだ。
このアンジョスが11位のネイト・ディアスと対戦した。
トラブル“ディアス”兄弟の弟ネイトが体重オーバー
ネイト・ディアスは2011年9月24日のUFC135で五味隆典と対戦し、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちしていることからも日本でも名が知れている。
それ以上に有名なのが兄ニックとともにディアス兄弟として総合格闘技で活躍しているからで、兄ニックは元ストライクフォースのウェルター級王者で、弟ネイトもシーザー・グレイシー柔術アカデミーに所属し、ブラジリアン柔術の黒帯を取得している。
しかし、有名な理由は「問題児」だからでもある。兄ニックは以前、ウェルター級王者のジョルジュ・サン・ピエール(GSP)との試合が組まれていたが記者会見を放棄したために、挑戦権を剥奪されたことがある。
弟のネイトは約1年ぶりの試合だったが、兄に負けじ?と試合前の公開練習を欠席するだけでなく、軽量も約2kgも体重オーバーし、ファイトマネーの20%が没収された。
ちなみにその金額が対戦相手のドス・アンジョスに渡っている。
アンジョスが不利な条件でも試合を行う理由はタイトルマッチ
ウェイト制の試合で2kgの体重差は非常に不利と言われているが、それでもドス・アンジョスが試合を受けたのは、王座挑戦にある。
この試合前に3位のドス・アンジョスは先日のUFC181で上位のギルバート・メレンデスが敗れており、ドス・アンジョスよりも優先権を持つのは1位のハビブ・ヌルマゴメドフだけになる。
しかし、ドス・アンジョスはこのヌルマゴメドフに2014年4月に判定で敗れている上に、総合格闘技の戦績が22戦無敗、UFCでも6連勝と文句のつけようがない。次はタイトルマッチが濃厚だろう。
だが、ヌルマゴメドフはこの試合以降試合をしていないのに対し、ドス・アンジョスは3連勝を収めており、元王者のベンソン・ヘンダーソンにも1RでKO勝ちを収めている。
それだけに、この試合でランカーのネイト・ディアスに勝利して4連勝とすればヌルマゴメドフにプレッシャーをかけられる。だから是が非でも試合がしたかった。
分析結果から導いた重いローキックで完勝
「ディアスは前の試合でもローキックをブロックしなかったから」としっかり分析をしていたドス・アンジョスは開始早々から左のローキックで、ディアスの太ももを痛めつけた。
UFCでもっとも食らいたくないキックと呼ばれるジョゼ・アルドのような、ビチッと鈍い音がする相手の足にズッシリと重い衝撃をぶつけるローキックに似たローキックをドス・アンジョスも放つ。ローキックをブロックしないディアスは数発食らっただけで足を痛めてしまい、1Rから腰が入ったパンチを打てなくなってしまった。
これで完全なドス・アンジョスペースで試合は進むも、ディアスは辛抱して何とか食らいつくもまともな攻撃はほとんどできず、一方的な展開のまま最終3Rまで進んだ。
3Rは早々にアンジョスはタックルから易々とテイクダウンを奪ったが、立っているのがやっとなディアスにとって、グランドよりもスタンディングの方が良かったのでは?と思えたくらいだった。
結局結果は判定になったものの、30-26が2人、30-27が1人の3-0でドス・アンジョスが圧勝した。
ペティス対ドス・アンジョスのタイトルマッチ?!
この勝利によってランキング1位に上がったドス・アンジョスは試合後のインタビューでは、「タイトルマッチさせてください!」とアピールした。
アンソニー・ペティスがつい先日試合をしたため、試合間隔だけで言えば申し分ない。ヌルマゴメドフの試合スケジュールにもよるが、この分でいけば、4月頃にタイトルマッチとなるのではないだろうか?
他には、4位のドナルド・セラーニと8位のマイルズ・ジューリーが対戦するので、この勝者が今後のタイトル戦線に絡んでくるだろう。
そして、元王者で5位のベンソン・ヘンダーソンは10位のエディー・アルバレスと対戦するが、敗れた方はランク外まで落ちる可能性もあるだけに、まさに正念場だろう。]]>
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