王座ケイン・ベラスケスの初防衛戦が変更
UFC Fight nightのメインイベントはヘビー級王者のケイン・ベラスケス対ランキング1位のファブリシオ・ヴェウドゥムの初防衛戦が予定されていた。
しかし、ベラスケスが怪我により延期となってしまった。そこに、9月のUFC JAPANでランカーのロイ・ネルソンに勝利してランキング4位となったマーク・ハントに声がかかったのだった。
4位の元K-1王者マーク・ハントとヴェウドゥムの暫定王者決定戦に
試合3週間前の連絡にもかかわらずハントはすぐにOKし、会場である標高2000mのメキシコ・シティに移動して現地の高地に慣れるためにトレーニングを開始した。(ちなみにファブリシオ・ヴェウドゥムは3ヶ月前から乗り込んでトレーニングを積んでいた)
UFCでの試合間隔は3~4ヶ月が一般的だが、わずか2ヶ月のハントにオファーを出したのか?
理由は2つ考えられる。1つはハントに前回の試合のダメージがそれほど無かったからで、もう1つは現在のヘビー級のランキングである。2位のジュニオール・ドス・サントスはケイン・ベラスケスに敗れており、12月のUFC Fight Nightで5位のスティペ・ミオシッチとの対戦が組まれている。
そして、3位のトラヴィス・ブラウンはヴェウドゥムに敗れており、6位のジョシュ・バーネットは2013年12月のUFC168でブラウンに敗れており、上位陣として可能性があったのは9月にアントニオ・シウバに勝利したアンドレイ・アルロフスキーくらいだった。
クロコップの師匠、柔術王ヴェウドゥム
ファブリシオ・ヴェウドゥムは2012年にUFCに復帰してからは4連勝と勢いに乗り王座長先見を獲得したが、総合格闘技歴は長く、過去にはPRIDEにも参戦していた。
寝技のスペシャリストといわれて、アブダビコンバットやブラジリアン柔術世界選手権で優勝しており、その当時の最強とも言われたミルコ・クロコップから寝技の師匠としてチーム・クロコップに加入していた時期もあった。
それ以上にヴェウドゥムの名を世界中に知らしめたのがストライク・フォース参戦時にエメリヤーエンコ・ヒョードルに勝利したことだろう。
また、柔術で有名なアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラにもUFCで勝利しており、ヒョードルとノゲイラの両方に勝利した唯一の選手として一目置かれている。
1Rからハントの打撃が炸裂
ヴェウドゥムとハントの暫定王者決定戦は、開始早々からハントのパンチが炸裂。開始1分でハントの右ストレートがヴェウドゥムの左テンプルにヒットして、ヴェウドゥムが倒れる。しかし、ハントは追い詰めることはせずに、再びスタンドとなる。
以前、ヴェウドゥムはヒョードルに勝利したときは上から攻められたときに下から腕ひしぎ三角固めをかけて勝利しており、ハントはこれを警戒していたのかもしれない。
その後も、ハントはロングフックで距離を縮めてからはアッパーなどでヴェウドゥムを倒しにかかる。
一方のヴェウドゥムも倒されてからは下から三角締めなどを狙おうとするも、ハントもさせまいとマウントでプレッシャーをかけて試合を優位に進める。
柔術王が膝蹴りで打撃王からTKO
2ラウンド目もハントが優勢で、ヴェウドゥムは突破口が見えなかった。
しかし、ヴェウドゥムがパンチを放とうとしたタイミングでハントが頭を下げたところで、ヴェウドゥムは飛び膝蹴りを放つ。
顎にもろに食らったハントは倒れてしまい、そこを間髪入れずに攻め続けたヴェウドゥムがTKO勝利した。
今後のヘビー級戦線
王者のケイン・ベラスケスは3月までに怪我を治さないと王座剥奪といわれている。
12/14のUFC Fight nightでランキング2位のジュニオール・ドス・サントスと5位のスティーペ・ミオシッチが対戦するため、この勝者が次期タイトル挑戦者となるだろう。
そのほかでは、3位のトラヴィス・ブラウンは12/6のUFC181でブレンダン・シャウブと対戦するが、ランキング外のシャウブに勝利してもドス・サントスとミオシッチの勝者よりも価値は低いだろう。
そうなると、前述のアンドレイ・アルロフスキーあたりが候補者となるに違いない。]]>
コメント