前王者に昇格&未勝利チームが我慢の戦い
シメオネ監督がベンチ入りできるようになって調子を取り戻してきたアトレチコ・マドリードに対して、コルドバは前監督を解任しジュキッチを迎えたものの未だ未勝利と好対照なチームの対戦は、両者の調子がそのまま結果となって現れた。
セットプレーでの驚異的な得点力
開始序盤からホームのアトレチコ・マドリードが主導権を握り、コルドバは全体的にラインを下げてスペースを作らせず粘り強く守り、カウンターからゴールを狙う。
コルドバの献身的な守備にアトレチコが決定機をなかなか作れず、逆にコルドバがカウンターからアトレチコの中盤の早いプレスを回避してチャンスを作る。コルドバはアトレチコゴール前までボールを運びエースFWギラスが決定機を迎えるもシュートがGK正面に飛ぶなど、得点を奪えない。
このまま前半終了するかと思われたが、43分にアトレチコが先制する。左からのCKのクリアボールをPA内で拾ったグリーズマンが利き足の左に持ち替えてシュート。これがDFに当たってコースが変わってゴール左に吸い込まれる。
前半を1点リードされたコルドバだったが、後半開始早々にCKからギラスのヘディングシュートで同点に追いつく。
しかし、アトレチコは5分後に右サイドを崩したファンフランからのクロスをニアに飛び込んだグリーズマンが頭で合わせて再び突き放すと、FKとリスタートから2点を追加して3点差とする。
コルドバも終了間際にギラスがこのひ2点目となるゴールを決めて一矢報いるも4-2でアトレチコ・マドリードが順当に勝利した。
嗅覚が鋭いしたたかなアトレチコ
今シーズンのアトレチコはとにかくセットプレーからの得点が多く、この日も4得点中3得点がセットプレー絡みだった。
だが、この日光ったのはサイド攻撃だった。左SBのシケイラは積極的な攻撃が持ち味である。
この日はコルドバの右SBのボウソンは前半にイエローカードを1枚もらっており、激しい守備ができないとシケイラは判断すると積極的にオーバーラップを繰り返して相手を崩しにかかった。
先制点を奪うまでは時間がかかったものの、コルドバに攻撃させないよう効果は十分にあった。
さらに、コルドバがサイドからのクロスに対してニアのケアが甘くなると、マンジュキッチをおとりにしてグリーズマンやラウール・ガルシアが飛び込んでゴールを奪う。
敵の穴を見つけ、そこをしたたかに突いて勝利を呼び込めるのが今シーズンのアトレチコ・マドリードの強みだ。
コルドバは1人で打開できるアタッカーが不在
後半に1度は同点に追いついたコルドバだったが、サイドから崩され始めると速いクロスボールの対応が徐々にルーズになってしまい、グリーズマンに二アサイドでヘディングシュートを決められると一気に集中力が途切れてしまった。
守備力が高いわけではないので、しっかり守りながらも少ないチャンスでは確実に得点しなければならないところだが、流れから得点を決める形がないのが残念だ。
エースのギラスはポストプレーは得意だが技術が高いわけでもなく、1対1の勝負も強くない。
アトレチコ・マドリードでは1トップのマンジュキッチ以外にグリーズマンやラウール・ガルシア、アルダといった得点できるFWや中盤が揃っているが、コルドバにはこの日ギラスと2トップを組んだシスコやトップ下のフェデ・カルタビアも技術はあるものの、得点力はない。
この問題が解決できないと今後も得点力の向上は期待できないだろう。
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