日本時間で10/26(日)午前中にブラジルで行われたUFC179では現在唯一のブラジル人チャンピオンのジョゼ・アルドがランキング1位のチャド・メンデスと対戦した。 両者の対戦は2012年1月のUFC142で対戦しており、この時はジョゼ・アルドが膝蹴りで1RでKO勝利を収めている。チャド・メンデスはこの試合で総合格闘技初黒星を喫したが、その後は4KOを含む5連勝でジョゼ・アルドへの再戦権を勝ち取った。
気が抜けない壮絶な打撃戦
積極的に打撃を仕掛けるファイター同士の対戦なので、開始早々から激しい打ち合いが続く。最初にチャンスを作ったのは挑戦者のチャド・メンデスで、開始1分に左フックがジョゼ・アルドの頭にヒットしてぐらつかせる。しかし、その後ジョゼ・アルドが連打を許さず、1R終盤には逆にジョゼ・アルドがチャド・メンデスを一方的にパンチで攻め立てて、終了間際にはTKO寸前まで追い詰めるも終了のゴングでチャンスを逃す。 このまま2Rにジョゼ・アルドが勝利を収めるかと思われたが、チャド・メンデスは2Rでは距離を置いて回復に充てると3Rに反撃に出る。積極的に前へ出て接近戦から放った強烈なアッパーがジョゼ・アルドの顔面を捉えるとチャド・メンデスは一気に猛攻を仕掛けるが、ジョゼ・アルドもパンチでチャド・メンデスにダメージを与えて追撃を許さない。 4R、5Rもチャド・メンデスはパンチで積極的に仕掛けてきっかけは作るものの、ジョゼ・アルドがことごとく反撃してチャド・メンデスは2手目3手目を出せずに試合は終了。 判定にもつれ込んだタイトルマッチはジャッジが3人とも49-46とジョゼ・アルドの王座防衛となった。ジョゼ・アルドの強さの秘訣は打たれても反撃できるバランス力
ジョゼ・アルドは今回の勝利でUFCフェザー級を7度防衛になるが、判定勝利が5度もある。とはいえその全てが3-0で判定が割れた事は1度もない。ここにジョゼ・アルドの強さが隠されている。 各ラウンドで優劣をつける方式なため、たとえ各ラウンドでわずかに劣っていても判定結果となれば今回のように大きな開きになってしまう。 この試合でも開始1分にチャド・メンデスはポイント差ほどやられていたわけではなく、決定打を打ち込み、チャド・メンデスペースで進むかと思われた。しかし、終わってみれば49-46と判定ながらもジョゼ・アルドが勝利している。 ジョゼ・アルド相手にここまで攻め込んだファイターはそもそも少ないが、ジョゼ・アルドはとにかく体幹が強くバランス感覚が非常に優れている。そのため、非常に強いキックも打てるし、相手に打たれて多少のダメージを追っても相手の動きを止めるだけの反撃力がある。キックに関しては前回のリカルド・ラマス戦でのローキックの連打で、ラマスの動きを完全に止めてしまい、危なげなく勝利を収めたのが記憶に新しい。 反撃力も、この試合ではチャド・メンデスが積極的に前へ出て接近戦からアッパーやテイクダウンでジョゼ・アルドを仕留めようとしたものの、ジョゼ・アルドはそれを食い止めてチャド・メンデスのペースに持ち込ませなかった。 この体幹の強さとバランス力がジョゼ・アルドの強さの秘訣と言えるだろう。今後のフェザー級はコナー・マクレガー次第?
ランキング1位のチャド・メンデスを退けた事でジョゼ・アルドは1位~4位をすべて倒したことになる。今後の可能性として最も高いのが、11月のUFC Fight Nightで3位のフランク・エドガーと対戦する2位カブ・スワンソンだろう。この試合でスワンソンが勝利すれば、2009年の1R開始8秒で敗れて以来の再戦となる可能性が高い。ジョゼ・アルドがカブ・スワンソンを開始8秒でTKO(WEC41)
もし、フランク・エドガーが勝利すれば挑戦する可能性もあるが、フランク・エドガーは2013年2月のUFC156でジョゼ・アルドに敗れているため可能性は低いだろう。そういえるもう1つの理由は、現在ランキング5位のコナー・マクレガーにある。アイルランド人のマクレガーは2013年からUFCに参戦して4連勝しており、直近では今年9月のUFC178で当時5位のダスティン・ポイエーをパウンドでTKO勝ちし、2戦連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞するなど注目度も高い。
コナー・マクレガーはこの日、ジョゼ・アルドvsチャド・メンデス戦も生観戦しており、試合後にはチャド・メンデスが「判定が俺に来なかった事はコナー・マクレガーとってはラッキーだったと言わざるを得ないね。」と語り、ジョゼ・アルドも「(UFCが)私の前に立たせる誰とでも闘います。私は王者としてここに居ます。舞台は整いました。私がキング、チャドはプリンス、そして今やジョーカーも来た様です。」とコナー・マクレガーを意識している事からもマクレガーがタイトル戦線に加わる事は間違いない。
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