左から攻め続けるも崩せなかったバルセロナ
リーガエスパニョーラ第5節、マラガ対バルセロナの一戦は、スコアレスドローに終わった。
試合はバルセロナがポゼッションして試合の主導権を握るも、マラガは守備時にはドゥダを前線に1人残して残り9人が自陣まで引いて中央を固めた4-5-1でしっかり守り抜くという展開が続いた。
バルセロナは右SBに今シーズン加入したドウグラスが初先発と言うこともあって、左からの展開が非常に多く、ネイマールが中に絞り、外のスペースをジョルディ・アルバがオーバーラップしてクロスをあげるシーンが何度も見られた。
バルセロナ対策の「外を捨てる」は昨シーズンから変わらず
貝のように中央を固めて守ったマラガだったが、中でも顕著だったのが、中盤の3人の動きだった。
バルセロナの攻撃ではメッシの中央突破から崩すことが多いので、イグナシオ・カマーチョを中心にダルデル、ファンピの3人がかりでメッシにフリーでボールを持たせなかった。このため、中央から崩される事がなく、バルセロナはスペースのあるサイドから崩しにかかった。
特に左サイドのジョルディ・アルバが攻め上がる場面が多く見られたが、マラガは右SBが外に開き、ネイマールにはCBがマークをつける。この時に右FWのペドロが中央に絞ってくるのでマラガはもう1人のCBが対応する。
ペドロに遅れてメッシが上がり、このときにメッシへのマークが甘くなることが通常は多いが、マラガはカマーチョらMFがしっかりマークにつくことでメッシを自由にさせなかった。
前半43分にメッシの中央突破からネイマール、ジョルディ・アルバとつなぎ、左からのクロスにネイマール、ペドロ、メッシがつめる決定的な場面があったが、メッシがわずかにボールに届かなかった。
この試合の決定的な場面はこれくらいだった。
一方の、マラガはカウンターから何度かチャンスを作ったものの、決定機は前半にGKのキックからアムラバトが抜け出して強引に放ったシュートと、後半にPA左からのFKでルイス・アルベルトが直接ニアを狙ったシュートの2本だった。
メッシが悪いのではなく中盤の崩しがないバルセロナ
今シーズンの開幕からの連勝が4でストップしたバルセロナ。引いて中央を固めた相手を崩せないのは昨シーズンから変わっていない。
メッシの運動量が少なかったり、彼にボールが集まらないといった事を理由にあげる人もいる。それ自体は間違っていない。
しかし、今日のマラガをはじめ多くのチームがメッシを警戒しているので、そう簡単にはメッシも自由にはできない。
グアルディオラ時代はアンリやエトー、ペドロらFWをサイドいっぱいに広げてパスをつなぎ続けることで時間をかけて相手の陣形を崩してきた。
その後、相手のプレッシングや前線にFWを残してカウンターで逆襲といったバルセロナ対策を講じてきたことで、バルセロナもビラノバやマルティーノ時代には時間をかけない縦へ急ぐ攻撃が増えてきた。
これによって相手のカウンターにやられる回数は減ったものの、突破力のあるFW任せになってしまった事で、遅攻での攻撃パターンがメッシに依存することが増えた。
FWにボールをつなげることも大事だが、イニエスタやラキティッチらの中盤の選手が仕掛けてメッシやネイマールらのマークをひきつけなければ敵の守備を崩せない。
特にイニエスタは得意なラ・クロケッタ(ダブルダッチ)で崩すシーンが今シーズンは非常に少ない。
イニエスタやラキティッチ、今シーズンセルタから復帰したラフィーニャなどが崩さないとこの日のマラガのように中央を固められると苦戦する試合がでてくるでしょう。
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