アトレチコ・マドリード 0-0 バルセロナ スーペルコパも2試合ともドローで、リーガの首位争いで勝ち点で並ぶ両チームの対戦は、無得点の引き分けに終わった。
リーガ最少失点の力を見せたアトレチコマドリード
今シーズンリーガ最少失点のアトレチコマドリードの守備力はリーガ最高得点のバルセロナ相手にも屈しない。バルセロナが後方から組み立てる時は前線からプレスをかけ、逆に中盤でボールをもたれると全体が引いて守り、バルセロナに決定機を作らせない。
全員がさぼらずに守備をするのがアトレチコマドリードの特徴だが、たんにさぼるわけではなく、そこには決まり事がある。
中盤でプレスをかける際は、ジエゴコスタとビジャはバルセロナの中盤にはプレスをかけず、かけるのは中盤のコケ、アルダ、ガビ(もしくはチアゴ)の3枚。FWはバルセロナのCBをマークして中盤からのバックパスをさせない事でサイドへの展開を防ぐ。
チアゴ(もしくはガビ)は中盤の底に残り、バルセロナの前線への縦パスを警戒し、フアンフランとフィリペルイスの両SBはサンチェスやペドロをしっかりマークする。
偽9番のセスクやメッシをミランダやゴディンが時には左右で時には前後で対応し、連携がしっかりしている。
ジエゴコスタを止めたマスチェラーノの凄さ
アトレチコマドリードの守備力は失点数が少ない事からその事はわかりやすいが、バルセロナは個人の能力が非常に高い。ピケは身体能力で相手エースを圧倒するも、この試合ではジエゴコスタを止めたのはマスチェラーノ方が多かった。
高さや身体能力が優れていないマスチェラーノだが、先読み能力と危険予知能力の高さでジエゴコスタに良い形でボールを触らせず、CKでファーサイドに詰めたジエゴコスタのシュートもマスチェラーノがコースに飛び込んでシュートさせなかった。
ピケやバルトラ、プジョールといったどちらかと言えばフィジカル系のCBが多く、なかなか替えがいないバルセロナCB陣の中で、頭脳でプレーするマスチェラーノの存在は大きい。
今後の注目はアルダの組み立て力とイニエスタの復調
この試合でシーズンを折り返したが、今シーズンのアトレチコマドリードは数少ない不安はローテーションをしていないので、控え選手との連携に若干の不安はあるものの、それでもクルトワという絶対的なGKがいることもあり、守備が大崩れすることは無いだろう。決定力のあるジエゴコスタも怪我が少なく、ビジャも復調してきたので得点力も上げてきている。
となると最大のポイントは中盤の攻撃力である。コケが実力通りの力を発揮しているものの、「シャビの後継者」と言われるように正統派司令塔で前線にパスを供給するタイプであり、自分で攻撃するタイプではない。この試合のように、FWが封じられるとコケのようなタイプは苦しい。
その課題を解決するために必要なのがアルダ・トゥランだ。前半戦を怪我で欠場する事もあったアルダ。その代わりをラウール・ガルシアが務める事が多かったが、彼は得点力があるMFで突破力は無い。
アルダと似たタイプでいえばオリベルだが、まだ若い事もありシメオネ監督の信頼を勝ち取れていない。シーズン後半はアルダがどれだけ活躍できるかがこのチームが優勝するための課題だろう。
一方のバルセロナは、前半戦を首位で折り返せたのはサンチェスやペドロらが今シーズン復活したのが大きい。しかも、メッシをはじめ怪我人が復帰してきた。
しかし、シャビやイニエスタらの攻撃的な中盤の選手が以前のほどの輝きを失っている。特にイニエスタは中盤でボールを奪われてピンチを招くことがたびたび見られる。
ボールを奪われるのは彼だけの原因ではないものの、イニエスタにボールが渡れば周囲は前に向かうため、そこでボールを奪われると一気にピンチとなってしまう。それだけにイニエスタが復調してポゼッションを高める事が重要となる。
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