ジョゼ・アルドとクリス・ワイドマンの実力者がそろって陥落【UFC194】

格闘技
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コナー・マクレガーコナー・マクレガー2015年12月13日にラスベガスで行われたUFC194ではミドル級とフェザー級の2試合のタイトルマッチが組まれていたが、ともに新チャンピオンが誕生するというサプライズが起こった。 しかも敗れた元王者とは、あの最強と言われたアンデウソン・シウバからタイトルを奪いリマッチでも返り討ちにしたミドル級のクリス・ワイドマンと、パウンド・フォー・パウンドでもう相手がいないとまで言われたフェザー級のジョゼ・アルドである。

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ワイドマンに挑戦するルーク・ロックホールド

2013年7月にUFCで17連勝中だった王者アンデウソン・シウバを倒したクリス・ワイドマンは、シウバとのリマッチでもシウバの骨折があったものの自身のペースでフロックではない事を証明した。その後も、リョート・マチダ、ビクトー・ベウフォードといった実力者の挑戦を退け、防衛街道を走り続けるかと思われた。 そこへやってきたのがランキング1位のルーク・ロックホールドだった。元ストライクフォース世界ミドル級王者のルーク・ロックホールドは元UFCヘビー級王者のケイン・ベラスケスや現UFCライトヘビー級王者のダニエル・コーミエらと同じアメリカン・キックボクシング・アカデミーに所属しており、ブラジリアン柔術も黒帯で実力は折り紙つき。ストライクフォースでは9戦無敗でその中には現UFCライト級のホナウド・ジャカレイにも勝利している。UFCでは初戦でビクトー・ベウフォードに敗れたものの、その後は4連勝で最近ではリョート・マチダにも2R一本勝ちして、ランキング1位まで上り詰めた。 ロックホールドはレスリングやブラジリアン柔術をバックボーンにサブミッションを得意とし、総合格闘技14勝のうち、1本勝ちが9戦もある。しかも身長が191㎝とミドル級にしては大型で、同じく長身のワイドマンよりも3㎝も高い(ちなみにミドル級ランキング上位のホナウド・ジャカレイは185㎝、ヨエル・ロメロは182㎝である)。

手詰まりでやけになったワイドマン

そのため、レスリングをベースとしながらも長身とリーチの長さからのパンチ得意とするワイドマンとしては自分よりも高い相手と戦うのは苦労した。 1Rこそ優勢に進めてテイクダウンも2度奪うが、2R以降はペースもつかめず逆にロックホールドの打撃が多くなる。 3Rになるとロックホールドが完全に主導権を握りワイドマンは突破口を見いだせない。一方のロックホールドもスタミナが切れてワイドマンを攻めきれない。すると、ワイドマンが不用意な後ろ回し蹴りを放つとロックホールドが足をキャッチしてそのまま倒してパウンドを浴びせる。ワイドマンは両手で頭を抱えて何とか頭を防御するも、ロックホールドは肘やパンチでワイドマンをつぶしにかかる。レフリーもストップをかけようか悩んでいる中で3Rが終了する。 4R、ワイドマンは序盤こそ戦うものの当然回復せず、ロックホールドが再びマウントからパンチを連打してレフリーストップとなり、総合格闘技で初黒星を喫した。 ワイドマンはアンデウソン・シウバとの2試合こそ2Rまで続いたが(といってもこの試合も2R開始1分で終わっている)、それ以外は完全決着した試合はすべて1Rと短期決戦では強い。しかし、判定までもつれた試合は劣勢に回る場面が多く、2015年5月のUFC187でのリョート・マチダ戦では3-0の判定勝ちだったものの3R以降はリョートに押され気味であわやTKO負けというシーンも見られ、2012年のデミアン・マイア戦では序盤は優勢だったもののその後失速し、スプリットの判定勝ちだった。 この事からも序盤で自分のペースに持ち込めないとスタミナ切れで仕留められないという欠点がワイドマンにはあったのだが、この試合でも2R以降にロックホールドに反撃されてしまうという目にあってしまった。

悪役コナー・マクレガー

この日のメイン・イベントとなったコナー・マクレガー対ジョゼ・アルドの試合は、本来2015年7月に開催されたUFC189で行われる予定だったが、アルドが肋骨を負傷して欠場となったため、フェザー級1位(当時)チャド・メンデスと3位(当時)コナー・マクレガーでフェザー級暫定王者決定戦が行われ、マクレガーが2Rに一瞬のチャンスを逃さずにTKO勝利を収めた。 マクレガーはこれまで総合格闘技は14連勝中で、そのうち判定勝利は1試合、一本勝ちも1試合しかない典型的な打撃系の選手だ。そのためタックルの防御は決して上手ではなくテイクダウンを奪われる事もしばしばあるが、チャンスとなればその機会を逃さずに仕留める勝負強さはUFC随一で、ここ4試合連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞している。

すべてで上回っていたはずのアルドの敗因

パウンド・フォー・パウンドでトップのアルドが実績、スピード、パワー、テクニックでマクレガーを上回っていたはずだったが、開始早々、ジョゼが勢いよくパンチを放つとマクレガーの胸に当たる。しかし、マクレガーはこれを待っていたとばかりに左のカウンターでアルドの顎をとらえると、アルドはそのまま前に倒れこむ。この時点で決まっていたが、マクレガーがチャンスを逃さずすかさずマウントからのパンチ連打ですぐにレフリーストップとなった。 試合後、アルドは「リマッチの必要が有る。」とコメントした。マクレガーのカウンターがまぐれ当たりでもあるが、ふだんなら強烈な蹴りで相手の動きを止めてから仕留めるアルドが突っ込んでいったのだから、マクレガーに対して油断があっただろう。]]>

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