ベテラン対経験豊富な若手
UFC183ではウェルター級のチアゴ・アウベスとジョーダン・ミーインが対戦した。当初2014年8月に対戦予定だったがアウベスの怪我により延期となっていた。
総合格闘技歴14年ベテランのチアゴ・アウベス
現在ウェルター級のランク外とはなっているものの、チアゴ・アウベスは2001年に総合格闘技デビューをしたベテラン。
過去には2006年~2008年にはUFCでマット・ヒューズや弘中邦佳ら相手に6連勝し、2009年のUFC100ではウェルター級王者のジョルジュ・サンピエールに挑戦したが判定で敗れた。
しかし、その後は勝ち負けを繰り返し、2012年には連戦による負傷が原因で約2年間休養した。
2014年4月の復帰戦ではセス・バジンスキーに逆転勝利して、今回が復帰2戦目となる。
ムエタイ出身のストライカー
ブラジル出身のアウベスは地元でムエタイをはじめ、その後総合格闘技に転向した生粋のファイター。総合格闘技20勝のうち一本勝ちは2試合しかない。
19歳からアメリカに移りケイン・ベラスケスらと同じアメリカン・トップチームに所属している。
25歳で38戦、経験豊富な次世代の王者候補ミーイン
ベテランのアウベスに対して、ジョーダン・ミーインはまだ25歳と若い。父親の影響で4歳から格闘技を始めると11歳でキックボクシングデビュー。14歳でアマチュア総合格闘技デビュー。16歳でプロに転向した。若手で将来の王者候補と名高いローリー・マクドナルドと同じカナダ出身で、ミーインのデビュー戦の相手もマクドナルドだった。
25歳とまだ若いがすでに総合格闘技38戦と試合数はアウベスよりも多く、ウェルター級ランキングも13位とランク入りしている。
パンチが強烈な短期決戦型ストライカー
キックボクシング出身ということでパンチやキックが強く、29勝のうちKO勝利が16回と多い。それ以上に特徴なのが試合時間で、1R勝利が19回もある。
最近は好調で最近13試合で11勝しており、敗れたのは現ウェルター級3位のタイロン・ウッドリーと6位のマット・ブラウンの2試合だけである。
先手必勝!!データどおりミーインが攻める
1Rはミーインが上背と長いリーチを生かして中距離のパンチを放つ。ボディへのジャブや右のオーバーハンドを軸にアッパーでプレッシャーをかけて優位に試合を運ぶ。
ミーインの右アッパーが入ると間髪いれずに左右のストレート、ロングアッパーで一気に詰めてアウベスの顔面にヒットする。近づくとジョン・ジョーンズを髣髴させる両肘を放ち、上下左右どこからでもアウベスの顔面を狙うので、アウベスも反撃ができない。
アウベスも反撃をしようと試みるもミーインがしっかりガードして有効打にはならず終了。
過去の戦績が物語るように1R勝利が多いミーインが、この試合の1Rも完全に取り、早々に試合が決まるように思われた。
ミーイン圧勝!?と思いきやアウベスの逆転一発勝利
2Rが始まるとアウベスが距離を詰めるとフェンス際につめられそうになったミーインが前転で逃げて会場を沸かせる。
その後、両者が近づく。1Rはミーインが攻めてアウベスは劣勢に回っていたが、このラウンドではお互いに打ち合う。
アウベスがパンチで距離を詰めるとミーインが下がると、それに合わせるようにアウベスが前に出ながら右ミドルキックを放つとミーインの左脇腹に直撃。
この一撃でミーインがダウン。千載一遇のチャンスを逃すまいとアウベスがミーインに膝蹴り、上からパンチの連打でレフリーがストップ。
2R35秒でアウベスが逆転勝利を収めた。
この試合でチアゴ・アウベスはウェルター級13位にランクインし、逆にジョーダン・ミーインはランク外に落ちた。
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