なりたい職業すら決まっていない
今は2013年11月。私が吉祥寺のある美容院で髪を切るようになって4年以上経つ。東京から離れて1年以上経つが、それでも出張など東京へ来る機会に合わせて、髪を切るときはできるだけここで切るように決めている。
この店のお客は20代~40代の女性が多く、この日もとなりに座ったのは女子大生だった。どうやら就職活動のために髪を黒く染めるらしく、スタイリストと就活について話していたのが聞こえてきたのだが、11月になるというのに希望職種がまだ決まっていないらしい。
正直びっくりした。
数年前はそういう学生が多いというのがニュースでもやっていたのでびっくりしたけど、最近は就職活動が活発化してきたり、インターンなどを行う企業も多くなったので、減ってきたのかと思った。
しかし、ぜんぜん考えていない大学生もまだまだいるのかとまたビックリした。
この時期になっても決まっていないのに、あと数ヶ月で決まるのだろうか?
そこから活動していく中で内定が取れるのだろうか?
就職先が決まったとしてもその会社に本当に満足できるのだろうか?
などと赤の他人なのに気になってしまった。
理解されなかった職業
私は小学生の頃に「コンピュータを使った仕事に就きたい」と考えていた。
コンピュータを作ることではなく、使う仕事がしたかった。具体的にどのようなことをするのかはイメージできていなかったけれども、自分が大人になる頃にはコンピュータを使える人が重宝されるのかな?と何となく思っていた。
今の社会人の多くはコンピュータを使って仕事をしているので不思議に思うかもしれないが、80年代はパソコンなんて一家に1台どころか、学校に1台あるかどうかという程度。お金持ちでもパソコンを持つことなんて考えていなかった。もっている家庭は親がパソコンオタクというケースがほとんどだった。
そんな状況だから当時はコンピュータを使った仕事なんて認知されておらず、システムエンジニアですらあまり知られていない職種だった。
そのためか、「コンピュータを作りたいの?」とよく間違えられた。大学受験の時にも予備校の先生が「将来就きたい仕事があったらどこの学部が適しているか教えてあげるから質問しに来なさい」と自信満々に言うので質問しに行ったら、「君はコンピュータを作りたいのかい?」と聞かれた。
そうではなくあくまでもコンピュータを使わなければできない仕事がしたかったのだけど、理解されなかったのでその先生との会話はあっさり終えた。
将来の目標が大学選びのベースなはず
その予備校の先生からは自分が知っている以上のことは得られなかったが、工学部の情報学科がコンピュータについて教えていることが多いということを知り、夏休みにはいくつかの大学のオープンキャンパスも見学した。
ただ、どの大学もまだ新設したばかりだったり、これから新設するという大学ばかりで、研究室すらないところもあった。
ただ、なんとなくコンピュータを使って何かをするのだろう、ということはわかったのは収穫だった。
そして大学受験は情報系の学科がある学部しか受けなかった。
結局、一浪して第二志望の国立大へ入学する事になった。
コンピュータを毎日触ってプログラミングやデータの解析などをしていた。Windows95もまだ無く、Yahoo! Japanも無かった時代だったので、インターネットと言っても誰かがURLを知らなければひたすらリンクを辿り、面白いサイトがあればそれをメモして置かなければいけないような環境だった。
回線も電話回線が当たり前で、電話かけ放題になる23時頃から回線をつなごうとしてもなかなか繋がらない事がしょっちゅうあった。(なので、22:50くらいから繋ぎ始めるようにした)
サーバー運営をしていたホリエモンや強引にECサイトを始めた三木谷氏が数年後に世間を賑わせたり、20年後に幼稚園児がiPadで遊ぶような世界が来るとは当時は想像もしていなかったが、「将来はコンピュータが来る」と漠然と思っていた小学生の自分は誉めてあげたい。]]>
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