自閉症の僕が跳びはねる理由

書評

自閉症を知っているようで知らなかった

ちょっとマジメな話。

「自閉症」の人がよく飛び跳ねたりしますが、なぜそうしているかご存知ですか?

僕は今まで「自閉症」について知らなかったので、「物事を考えることができない人」とか思ったりしてましたが実は全然違ってて、「きちんと理解できるが、何かしらの理由できちんとコミュニケーションが取れない人」がほとんどということをTVで偶然知りました。

著者である東田さんは重度の自閉症で以前は言葉を話すこともできなかったのですが、しかし、幼い頃から漢字は覚えて自分で書いたりしていました。
そのため、東田さんの両親がパソコンのキーボードと同じ配列のパネルを紙で作成して、それを打ちながら発音することでコミュニケーションを取れるようになったそうです。

家族が自分のことで犠牲になってるとそれが凄く辛い

東田さんが本書では以下のように書いています。

「親に泣かれるのが一番辛い、家族が苦しそうにしてたりするのが辛い。家族が自分のことで犠牲になってるとそれが凄く辛い」

私だけでなく自閉症の子を持つ親ですら、自閉症の人がそこまで考えているとは思っていませんでした。
ある自閉症の子を持つ親は、この本を読んでから子供に対して「義務感」ではなく、「楽しみ」ながら接することができるように変わったそうです。

この本を英訳したアイルランド在住の作家デイヴィッド・ミッチェル氏も自閉症の子を持つ父親ですが、来日して東田さんとホテルで会ったときも東田さんが外の景色に気が行ってしまい、席に座るまで15分かかってしまいました。
それでも、「この時間を待つのが大事」と決してイラつくこともなく、むしろその時間を楽しんでいるようでした。

普通の大人でさえ初めての場所で外国人と会うとなれば、緊張して慣れるのに時間がかかるものです。慣れるまでの時間をどう動くかの違いであって、話し慣れるまでの時間を比べれば大差はないのかもしれません。

翻訳をきっかけに世界中の自閉症を持つ親に広がる

ミッチェル氏による英訳本「The Reason I Jump」が世界中で発売されると、大反響で、この本がきっかけで東田さんはアメリカで講演に招待されたのをはじめ、東田さんの表現が世界中に変化を与えています。

自閉症に対する考え方が大きく変わったのはもちろんですが、自閉症の子どもを持つ親からすれば、今までは自分の気持ちや考えが伝わらなかったのが、実は子どもには伝わっていて、そのコミュニケーションがとりづらいだけであること。そして、子どもたちは親の気持ちも理解できている、ということが分かったのがとても嬉しい事でしょう。

たった1冊の本ですが、世界中の自閉症に関わる人たちを救う本かもしれません。

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